自然養鶏家の宿命と社会の裏側

ある日の夜、老鶏たちを集めた鶏舎へ行き、
トリさん8羽をカゴに入れた。

 

自然養鶏家の宿命

 

このカゴにトリさんたちを入れていきます。

 

暗くなるとトリさんたちは「寝る態勢」に入り、止まり木で休んでくれます。
ですので、この作業は夜間に行うこととしています

 

彼らには「このカゴを持ってきた意味」が分かるのでしょう、いつもは懐っこく近づいてくるのに、逃げていきます。

 

なんとか捕まえましたが…

 

必死で逃げようともがくトリさん…

 

カゴに入れたトリさんは、産卵期のピークを終えた老鶏たち。
おなかのハリ、などで「産卵していないトリさん」をだいたい判別できるのです。
メス7羽に対し、オス1羽。
オスを入れることで、メスが安心するらしい。

 

翌朝このカゴを、とある業者さんへ受け渡します。

 

受け渡しの待ち合わせ場所まで軽トラで移動。
業者さんを待っている間、チラチラと後ろを気にしてしまう…

 

そして、カゴとお金を渡して、

ダイスケ
いってらっしゃい

 

その翌日、、、
「スーパーで見かける状態」でトリさんたちが戻ってきました。
頂いたお肉は余すことなく、いただきます。

 

 

社会の裏側

 

産卵期ピークを終えたトリさんは、不本意ながら「淘汰」しなければなりません。
(「淘汰」という言葉すら使いたくありませんが…)

卵を産まないトリさんを抱えるのは、経済的に大きな負担となるし、
産んだとしても卵質が悪くなってしまうからだそうです。

自然養鶏家(少なくとも我々)は
これを『送り出し』などと呼んでいます。

ちなみに
トリを捌くには免許や、保健所に認められた設備が必要なので
多くの自然養鶏家が、こういった業者に委託しています。

 

考えてみると、スーパーに並んでいる「お肉」
すべて社会の裏側で
「誰かが」屠殺し、
「誰かが」さばく。

 

一般消費者は、手を汚すことなく、現場を見ることなく、感じることなく、
パッケージされた肉を買って食べることができる。

 

この『送り出し』を通して感じた「トリさんたちの命」
やっぱり思いました

 

誰かに委託するって、大事なコトを蔑ろにしちゃうよね

と。

 

とはいえ、我々も今回のように業者に委託しているワケで…
いつか自分の手で屠殺し、捌いてみたいなぁ。

 

いや~ ちょっと今日はマジメで暗いお話でした~

それでは